
毎年8月21日、修善寺温泉では、弘法大師の霊を慰めるための奉納花火大会「お弘法さん花火大会」が開催されます。この花火大会は、地元の人々や観光客に親しまれ、夏の夜空を華やかに彩る伝統行事として知られています。
修善寺温泉の起源は、約1200年前にさかのぼります。伝説によれば、弘法大師がこの地を訪れた際、桂川の水で病気の父を洗う少年を見て、「川の水では冷たいだろう」と、手にした仏具「独鈷(とっこ)」で岩を打ち、温泉を湧き出させたといわれています。その温泉への感謝と、弘法大師への祈りを込めて打ち上げられる花火は、まさに神秘的なひとときを演出します。
行列が進むにつれ、沿道には観光客や地元の人々が集まり、華やかな春の風景を楽しみます。「春のお弘法さん」として親しまれるこの伝統行事は、修善寺温泉に春の訪れを告げる風物詩です。湯煙ただよう温泉街で、ぜひこの優雅で厳かなひとときを体感してみてください。